新日本住建 groupが太陽光システムの訪問販売に来た!怪しい?高い?口コミと評判も調査

太陽光パネル

2024年の12月7日、18時頃に突然我が家のチャイムが鳴った。

インターホン越しのカメラを覗くと、雨の中で若い女性が立っている。
要件を尋ねると、僕が住んでいる地域で住宅用の太陽光発電システムのモニターを募っているという話だった。

本来ならインターホン越しに断るところだが、内容がよく理解できなかったことと、カメラ越しに頭を何度も下げている彼女の姿を見て、応対することにした。

その結果わかったのは、これが新日本住設による太陽光システムの訪問販売だったということだ。

この記事では、実際に新日本住設の訪問販売を受けてどういった流れで成約を勧めていくのか、その体験談をお伝えします。
さらに、実際の口コミや評判も合わせて紹介します。

訪問販売で太陽光システムを勧められた方は、ぜひ参考にしてくださいね。

⇒新日本住設とは?どんな会社?一般的な評判など調べてみました

先陣を切る女はとにかくアポ取り

突然来た女は、言うまでもなく飛び込み営業だった。

ほとんどの家は門前払いだったと思うが、僕は直接玄関まで赴いて話を聞いてしまった。
なぜだろう。若い女の子だったからだろうか?

実際に会うと、その子は派手なマニキュアにきつめの香水をつけた、20代前半ぐらいの印象だった。
福井の僻地に、大阪から営業に来ているらしい。

話を聞いてみると、キャンペーン中で、この近辺で太陽光のモニターになってくれる家を探しているとのこと。
ちょうどうちの屋根が適しているようで、それで訪問したらしい。

太陽光システムを導入すると、電気代が実質無料になってお得だという押し文句だった。
「今ならお宅の屋根の形状に合わせて、どれくらい発電するのかシミュレーションさせて欲しい」と、食い下がるように頼まれた。

そもそも僕は、福井県の冬は曇天続きで晴れの日がほとんどない地域なのに、太陽光なんて役に立つのだろうかと疑問に思っていた。
それでも「シミュレーションくらいなら」とお願いすることにした。

実際、シミュレーションには家の図面が必要だと言われた。
うちは比較的新しい築5年の家だったので、すぐに図面を見つけて写真を撮り、彼女に渡した。

彼女は「すぐにシミュレーションが出せるので、また電話します」と言い残し、去っていった。

太陽光システムのシミュレーション説明!聞くだけで1万円プレゼント

次の日、太陽光シミュレーションができたとの連絡があった。

正直、気持ちはすでに萎えていたが、「話を聞くだけで1万円のギフト券がもらえる」ということだったので、とりあえず話を聞くだけならと承諾した。

12月8日の15時頃、奥さんと一緒に話を聞くことになった。
営業に来た女性も同席するのかと思いきや、代わりに説明専門の上司らしい男性が現れた。年齢は30代くらいだろうか。大阪支店から北陸エリアへの進出強化のため、金沢支店を経由して車で1時間かけて福井に来たそうだ。

その男性による説明が始まった。

我が家の屋根は東向きだが、北へ片流れ(1.5寸)しており、南向きではない。特に冬場は日陰になりやすい屋根の形状だ。
それでも彼が提案したのは、Panasonic製の太陽光発電システムだった。

具体的な構成は以下の通り:

  • パネル:VBM240FJ01Nが22枚、CBM120FJ02Nが3枚
  • 蓄電池ユニット:LJB2363(6.3kWh)
  • 年間発電量:5,682kWh

このプランの根拠として提示されたのは、我が家の直近の年間電力使用量が9,548kWhで、その約半分を太陽光で賄う計算とのことだ。

正直、北陸の曇天が多い気候で本当に発電できるのかも分からず、良い提案なのか悪い提案なのか判断がつかなかった。

初回に提示された見積もり額は、なんと税抜き790万円。しかし、そこから「出精値引き」として謎の398万円の値引きが入り、さらにキャンペーン値引きが59万円適用され、最終的には税込み4,378,000円になるという。

高いのか安いのか分からないが、少なくとも大金であることは確かだ。

「これを20年ローンにすれば、月々約2.2万円。さらに発電によって電気代がほぼかからなくなるので、とてもお得ですよ」と説明された。

当初、太陽光発電システムについて無知だったため、改めてこのシミュレーションが妥当かどうかチェックしてみました。以下ご覧ください。

【追記】シミュレーションをひも解く

まず、北陸電力のオール電化向け料金プラン「くつろぎナイト12」では、電気料金が時間帯や曜日によって異なります。以下に、平日と土日の昼間および夜間の電気料金単価を記載しました。

時間帯 平日 土日祝日
昼間(8時~20時) 39.87円/kWh 33.80円/kWh
夜間(20時~翌8時) 26.98円/kWh 26.98円/kWh

このプランでは、夜間の電気料金が平日の昼間に比べて割安で、土日祝日の昼間も平日よりお得になっています。

また、夜間時間帯は20時から翌8時までの12時間と長いため、夜間の電気使用を増やすことで、さらに電気料金を節約できます。

それを踏まえて、我が家の直近1年の電気使用量と電気の合計料金は以下になっています。

使用量 (kWh) 基本料金 (円) 電気料金 (円) 合計料金 (円)
2024年11月 553 kWh 1,455円 16,014円 17,469円
2024年10月 421 kWh 1,131円 12,449円 13,580円
2024年9月 456 kWh 1,227円 13,507円 14,734円
2024年8月 470 kWh 1,440円 15,846円 17,286円
2024年7月 509 kWh 1,536円 16,901円 18,437円
2024年6月 619 kWh 1,668円 18,355円 20,023円
2024年5月 710 kWh 1,762円 19,389円 21,151円
2024年4月 969 kWh 2,220円 24,423円 26,643円
2024年3月 1,296 kWh 2,920円 32,121円 35,041円
2024年2月 1,222 kWh 2,787円 30,664円 33,451円
2024年1月 1,365 kWh 3,078円 33,861円 36,939円
2023年12月 958 kWh 2,244円 24,692円 26,936円

北電の「くつろぎナイト12」を使用しているため、上記は実際の我が家のデータに基づいて計算すべきです。

全体の料金と使用量の合計を用いて平均単価を計算します。

  • 総料金:257,222円
  • 総使用量:9,548kWh

平均単価 = 総料金 ÷ 総使用量 = 257,222 ÷ 9,548 ≈ 26.94円/kWh

結論として、月ごとの単価は 24.78円/kWh ~ 33.72円/kWh の範囲で、年間の平均単価は 26.94円/kWh です。

これに対し、提案されたシミュレーションでは、電気単価を39.87円/kWh(平日昼間の単価)で一律に計算しています。

業者の発電量(5,682kWh)を実際の電気単価(26.94円/kWh)で計算すると、次のようになります:

5,682 × 26.94 ≈ 153,104円/年

つまり、賄える電気代は月平均で:

153,104 ÷ 12 ≈ 12,759円/月

業者の提案する16,789円/月(201,478円/年)とは、約4,030円/月の差があります。

ローン支払い後の負担額

次に、ローン支払いにした場合の追加負担を計算します。

新日本住建のシステム導入費用:4,378,000円
20年ローンの場合の月々支払い:22,986円

業者は「電気代の削減でほぼ相殺できる」と言っていますが、実際の計算では次のようになります:

ローン支払い後の差額(電気代削減分を引いた場合):

22,986円 − 12,759円 ≈ 10,227円/月の追加負担

20年間の総負担額:

10,227円 × 12 × 20 ≈ 2,454,480円(追加負担分)

太陽光発電システムを導入すると、電気代は毎月12,759円補填されますが、月々のローン負担は10,227円かかることになります。この差額は2,532円程度となり、実際には毎月の電気代が20年間で2,500円程度しか安くならないというのが現実です。

補助金と売電単価

また、補助金についても触れておきます。

福井県では2024年から太陽光発電システムの補助金が支給され、金額は60万円です。

2024年の枠は終了しましたが、2025年にも補助金が出る可能性が高いです。しかし、業者はこの補助金制度に一切触れていません。顧客目線を考慮すると、これに言及しないのは不親切に感じます。

また、補助金を受けた場合、売電価格は15円ではなく8円に引き下げられます。そのため、売電メリットはほとんどなく、提案された5,682kWhの発電量では、売電できる月もほぼないでしょう。

設置メリットを強調するために、このような点が省かれたのかもしれませんが、仕方ない部分もあるのかもしれません。

結論

今回のシミュレーションを基に、新日本住建が提案した太陽光発電システムをそのまま導入するのは非常にリスクが高いと言えます。業者のシミュレーションは、電気料金単価を「くつろぎナイト12」の平日昼間の単価(39.87円/kWh)で一律計算しており、実際の電気料金(26.94円/kWh)とは大きな差があります。このため、業者の提示する電気代削減額(16,789円/月)にはやや誇大な見積もりが含まれており、実際の削減額は月々約12,759円程度にとどまります。

また、ローンの支払い額(22,986円/月)に対して、電気代の削減分(12,759円/月)を差し引いた結果、20年間に渡って月々約10,227円の追加負担が発生します。これでは、提案されたシステムを導入することで本当に経済的にメリットがあるのか疑問が残ります。

さらに、補助金や売電単価についても考慮されていない点があり、システム導入後の実際のメリットは業者の提案よりも少ない可能性があります。

総合的に見ると、新日本住建が提案した太陽光発電システムのシミュレーションは現実的ではなく、要検討すべき事案です。

そして、クロージングトーク

一通りシミュレーションを見せられ、「実質的な追い金はほとんど発生しない」「現在はキャンペーン中でモニター価格」「福井のこの地域で集中的に工事を行うため安価で施工可能」といった説明を受けた。

迷っていると、営業担当者は「上司らしき人」に電話をかけ始めた。その結果、20年ローンの月々の支払い額を22,986円から20,000円にするという新たな提案が出された。

こうしたクロージングトークを聞いていると、「今契約しなければいけないのでは」という気分にさせられるのが危険だ。

しかし、こちらとしては即決するつもりはない。その場では決断を避け、後日改めて返答するということで話をまとめ、帰ってもらった。滞在時間はおそらく2時間ほどだったと思う。彼もかなり粘っていたが、訪問販売で即決するのはリスクが高い。

太陽光システムの相見積もりをとってみる

結局、税抜で400万円近い金額が妥当なのか疑問に思い、相見積もりを取ることにした。「太陽光発電システム 福井」で検索したところ、相見積もりを依頼できるサイトが複数見つかったため、「ソーラーパートナーズ」と「タイナビ」の2つのサイトに登録してみた。

結果的に、合計で7社ほどに見積もりを依頼し、各社と直接話をする機会を得た。それぞれの会社で得意とするメーカーや施工方法に特徴があったが、共通して言えるのは、新日本住設よりも遥かに安く太陽光発電システムが導入できるという事実だった。

最終的な結論として、同じ5682kWh程度の太陽光発電システムであれば、新日本住設の半額で導入可能であることが分かった。これは、さすがに問題があると言わざるを得ない。

結論

結局のところ、訪問販売の業者が提示する価格はとにかく高い、ということです。サービス内容がどれほど充実しているのかは分かりませんが、それにしても価格が高すぎるというのが正直な感想です。実際に相見積もりを取ってみて、同じ内容の太陽光発電システムでも、他の業者であれば半額以下で提供されることが分かりました。訪問販売での即決を避けたおかげで、無駄な出費を避けられたと感じています。

「お得です」と言われても、最終的に見積もり額を見て納得できるかどうかは別問題。冷静に比較し、慎重に判断することが大切です。訪問販売に頼らず、複数の業者を比較してから決断する方が、最終的には自分にとって一番賢い選択だと言えるでしょう。

⇒新日本住設とは?どんな会社?一般的な評判など調べてみました

 

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