それは突然やってきた。
外壁リフォームの会社が我が家に訪問販売にやってきたのだ。
いつもならそんな訪問販売など門前払いなのだが、ちょうど家を建ててから14年の月日が経つこともあり、家のサイディングが反りはじめ、メンテナスをしないといけないと思っていた時期だった。
そんなタイミングでの訪問販売だったこともあって、
と話を聞くことにした。
新発売の高級外壁サイディング材発売!モニターになりませんか?
営業マンの話を聞いていくと、近々リリースすることになる、サイディング材のモニターを探しているということだった。
なるほどと、断る理由も特にないしと了承することにした。
後日、上司らしき人と2人で来た営業マンは家の寸法を計測し、改めて見積りと説明をさせて欲しいということで別日に我が家に再訪することになった。
飛び込み営業マンの話は巧みだった。気をつけなはれや!!
営業マンの2人は、サンプル材など入ったそこそこデカい荷物をもって外壁リフォームの新製品の説明をしだした。
と言ったけど、まずは新製品がどれだけ良いモノか説明だけはさせてくださいと、見積りを言う前に非常に長い説明をあれこれされたのだった。
ということでした。
後々思うと、このトークスクリプトがそもそも考えることを麻痺させる入口だった。
つ~ことで飛び込み営業はあまり家に入れて話をがっつり聞いてはいけない。もし聞くなら、こちら側も外壁リフォームについて調べておくか、相見積を取る前提で聞くべきだろう。
さて、営業マンの上司の人が言うには、新製品のサイディング材を貼ることでさまざまなメリットがあると言います。
- 既存の外壁塗装はお金をドブに捨てるようなもの
- このサイディング材がどれほど優れているかの説明
- 外壁リフォームをした後は一生メンテナス不要
- 既存のサイディングと新製品のサイディングとの劣化の違い
- 家自体の密度がアップし、遮音性がアップ
- 高断熱になり、夏は涼しく、冬は涼しい。電気代が浮く
- デザイン性がアップして見た目にオシャレ
まー、なんとも、メリットが出るわ出るわ・・・
家の壁をメンテナスしないといけないなぁ。。程度のことだったのに、家自体が快適に生まれ変わるなんて、それは確かに凄いなと思ってしまった。
でもまぁ、その分お高いんだろうとは思ったけど。
そんなサイディングの外壁リフォームの話を30分以上聞かされ続け、いい加減、僕の頭がプスプスと熱を持ち始めてきた。話が長いしと若干イラっと気味に、
と切り出した。
と営業マンの上司の方が言った。
なるほど、とはいっても外壁塗装よりは高いだろうよ。
まぁ、それでもモニター価格だから100万ぐらいかなぁ。と思っていたら、そいつが出してきた見積価格は衝撃の422万だった。
あまりに予想の斜め上をいく値段。
と僕が言う。
だから1㎡あたり19500円と割高に感じるけど、実は安いんですよ。
ここから営業マンのあの手この手のサービス作戦がはじまる
ウチの家の特徴として、外壁周りに当時、僕がはりきって作ったDIYの作品がところどころにある。
一生懸命作ったけど、外壁のリフォームをするならやっぱり撤去する必要がでてくる。
壁に打ち付けた小屋など、それをバラして撤去(結構大がかり)やら、
ウッドデッキの撤去やら、
壁に這わせてあったツル(アイビー)の撤去やら、
営業マンはそれらもひっくるめて全部無料でやりますと付け加えてきた。
って内心思っていたら、穴が空いている雨どいも全部良いやつに取り換えするのも無料。エアコンのダクトも見栄えの良いのに交換しますよと、どんどんサービスを重さねていく。
としばらく考えていたら、ふと現在の家に不満の箇所があることを思い出した。
お宅さんがリフォーム全般やってるなら、給湯器とかついでに安価にならないんですか?
もう、期待することなく何気に聞いたところ、営業マンはわざと渋った感じの顔をした上で、
と言い出した。
これサービスしてくれるなら、悪くないかもなんて思ってしまった。僕の気持ちが外壁リフォームしてもいいかも。。と揺らいだ瞬間だった。
当然、その刹那の表情を営業マンは見逃さなった。
そういわれて、
築14年、いろいろ問題が勃発する時期である。風呂のカランのパッキンが劣化したのか、締めても水がちょろちょろでているんです。
営業マンはしばらく考えて、
つい口にでてしまった。
これいけるんだ・・・僕はついつい調子に乗ってしまい、じゃ、もう一つついでにと、
というと、その営業マンはトイレの便器下に這いつくばって、原因を調べてくれた。
おお、便器に這いつくばるなんて、なかなかできるもんじゃないな・・・そこまで一生懸命してくれて申し訳ないという気持ちになった僕は、もうすでにその営業マンの手のひらで踊っていたのだと思う。
でもね、お金かかっても、これは僕が会社には内緒で全部持たせてもらいますよ
そういってしまったからには、もう後には引けない空気感が・・・
嫁さんも隣にいたのだが、「どうする?」と最終的に422万と向き合ったときに、やっぱ高いなぁと思っていると、
今日契約してください。
と言ってきた。
今日契約してくれるなら、すべてひっくるめて422万でいいです。
とにかく4月までには間に合わせたいので、それ以降だとこの値段では到底無理なので今回だけです!
そう詰められた。
すんげーいいモノだからと説明を受けて、時間も長く考えるのがめんどくさくなった上で、606万から422万の大幅な値引き。
そこに対して、あれもこれも無料でやるというサービスの嵐。
さらに、外壁リフォーム以外のちょっとした家の3つの不具合までも422万に含めますよ!!という特典付き!
しかし、それは今日契約してくれたらという強烈クロージング!!
だがよくよく後から考えると、せいぜい外壁のメンテナスなんざにかけるお金なんて、100万以上は出さないと思っていた僕がまんまと乗せられていたのです。
もう考えるのがめんどくさくなったのと同時に、営業マンの男気に応えなくてはダメだと思ってしまい、422万でやりますと言ってしまっていた。
その場で契約書を交わし、引き落としするクレジット会社に必要事項を記載して、営業マンは喜んでいた。
と言って帰っていった。
営業マンが居なくなって、嫁との会話で
と、この決断をしたことが正しいことだと言わんばかりに自分を言い聞かせた。
でもな・・・422万って高いよね。
でも、いいモノだって言ってたし、給湯器も、風呂の水漏れも、トイレの水漏れも直るしいいんじゃないの。。
でも、実際それ全部やっても15万ぐらいだよね。
僕は、心の中で「でもでもでも・・・・」と繰り返していたのだった。
なんかスッキリせずに日は過ぎた。そして足場工事の前日
2日過ぎて、明日足場の業者が来るということになってから、僕はやはり外壁リフォームの相場ってどんなもんなのだろうか?ということについてネットで調べることにした。
外壁リフォームの方法は違うから一概に言えないものの、でも明らかに僕が交わした外壁サイディングを貼る方法が倍以上高いということがわかり、混乱に陥った。
僕の家の大きさなら、外壁塗装だとそこそこのランクの塗料でも200万前後だと知り、その瞬間に心臓はバクバクしだし、過呼吸になってしまったほどだ。。
そんな現実を知った上でも、いや、外壁塗装と比べたらだめだ・・自分が選んだのはサイディングで、壁の上から貼るやつだから、高いのは当たり前。それに、サービスもあるし、いろいろな工事もセットにしてくれるしな。。
と、まだ自分が決断した外壁工事の正当性を模索している自分がいた。
しかし、もう調べれば調べるほど、やっぱり422万は高い。ウチは203㎡とちょっと大き目の家ではあるが、外壁サイディングだとしても422万は相当な値段の高さだと思い知ることになる。
ただ、そうであっても今さら断るなんてできない。先方の業者はすでに隣近所に工事のあいさつを済ませていたし、足場工事の段取りももう明日に迫っているから支度しているはずだ。
今さら断るなんて不義理な男だという妙に律儀な考えと、外壁メンテナスで求めてもいないのに過剰品質であり高額な422万という値段との葛藤で、僕の心はとてつもなく追い込まれていった。追い込まれ過ぎて気持ち悪い。。
ダメだ。。とりあえず、僕は法的に契約は解除できるもんだろうかと調べとくことにした。
そうだ、クーリングオフはできるんだろうか?と思い立ち、外壁リフォームのクーリングオフについて調べてみると、8日以内なら無条件で解約できると知る。
クーリングオフとは、消費者がリフォーム工事などを契約した後に8日間であれば無条件で契約を解除することができる特別な制度です。塗装工事とは関係ありませんが、連鎖販売取引などのマルチ商法は20日間です。
この期間内に解約した場合は、業者が建物を契約前の状態に戻すことが義務付けられています。契約前の状態に戻すための費用は、すべて業者負担と定められています。何か取り付けたもの、設置された物品も業者の負担で元通りにすることができます。
「あ、とりあえず解約できるぞ。」
少しだけ余裕がでた。でも、それでも僕はこのとき、いろいろやってもらってるし、もう先方も段取りを踏まえて動いているので、断る理由がない限り難しいと、悶絶していた。。
誰かのアドバイスなしに、この問題を1人で処理するには荷が重いと知る
だめだ、これは誰かに相談しないと決められない。
そこで、外壁の見積りをとるサイトで有名と言われる3社に簡易的に見積りを取り、そこで見積りを元に相談することにした。なんと見積りをした直後に電話がかかってくるシステムなのだ。なんて心強い!!
その電話で相談に乗ってもらった人から真実を知ることになる。
- 外壁塗装はピンキリがあって、別にお金をドブに捨てるものではない。
- うちの建坪で58坪程度であれば、一番高い塗料を使っても200万までは絶対ならない。
- そもそも、その高品質なサイディング材をあなたが望んで工事してもらうんですか?
僕は素人だった。
外壁のメンテナスに関して無知過ぎた。そして、電話でプロと話せたことで僕は勇気をもらったのだった。
伝家の宝刀「クーリングオフ」発動!
過呼吸気味だったつい数分前とは見違えて違い、僕は勇気をもって営業マンに電話をした。
意気揚々とこう切り出した。
親父にはこの家のお金も半分だしてもらってるし、頭が上がらないんです。
当然、嘘である。そもそも親父は大工ではないし、家のローンも自分で払っている。親父には普通に上からものを言えるフレンドリーな仲である。
それを聞いた営業マンの絶望の声が忘れらない。
と超驚いていた。僕は心の中では「スマン!!!成仏してくれ!!!」と祈っていた。そして怯んでもいけない。そうさ!とどめを刺すんだ!!
とか、
とか、揺さぶり攻撃を仕掛けてくる。
でも、僕はもう揺らがなない。そして、伝家の宝刀を抜く。
リフォーム業者はそれを言われたらおしまいである。そう試合終了だ。
ウルトラマンのスペシューム光線然り、ドラゴンボールのカメハメ派然り、見事に一撃必殺が奴にヒットした。
クーリングオフとはそれほどに強力な消費者を守る必殺の制度なんです。
例え、足場を組んだ後だとしても、外壁工事が始まっていたとしても、業者の負担で中止することができ、元の状態に戻すことが定められているんです。
すなわち、今回のケースで言うなら契約を済ませて、中3日で工事を強行しようとした時点で相手はリスクを負ってることになるんですね。
じっくり8日間寝かしてから工事すれば、僕だってそわそわしてネットで情報を調べようともしてなかったし、そうなればクーリングオフ適用外だったはずです。
僕はギリギリの窮地から生還できたというわけです。
何も考えずに飛び込み営業のペースに飲まされて思うこと
生き返った。そう僕は生き返ったんです。
その日の晩酌で飲んだビールの味はとても美味しかった。ここまで追い詰められたのは久しぶりの経験だった。
しかし、この経験は絶対生かさなければいけない。
そう思い、きちんと調べて納得のいく外壁リフォームを行おうと誓った。外壁リフォームは家を長く持たせるために必要なメンテナスです。
しかし、過剰品質、目的と予算をしっかり踏まえた上での選択が必須だと学んだんです。今思うと笑えますが、外壁のメンテナスに、なぜ極上の外壁サイディングを施さなくてはならないんだ?それを僕は望んでいたのか??
望んでいない。
なにも考えてないから、その知識のなさに付けこまれてしまった。もはや情報弱者である。そして弱者は搾取されるんです。
この一件ですごく学べました。
今回の外壁リフォームの営業は詐欺であるとは言いませんが、自分には必要のないものや、業者に騙されて搾取されてしまわないようにしなくてはなりません。
特に、外壁のリフォームは5分に1回トラブルが起きていると言われています。
住宅リフォームの中でももっともトラブルが多いのが外壁リフォームなんです。
そんな中で我が家が今回の学びをどう生かして、どのような外壁メンテナスに着地をしたのかをお伝えしていく。
そんなリアルなサイトを作ってみました。
あなたの外壁リフォームもお金を搾取しようと狙われているかもしれません。どうぞ参考にしてくださいね。
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