家の間取りに不満を抱いていた我が家はことあるごとに完成内覧会に行っていた。
買ったばかりの家があるのに、
ローンも終えてないのに、
家を買う気なんてないのに、
目の保養のために、
それでもいつか自分らの思い通りの家に住みたいね。
という想いを持ちながらも、他人様が苦心の末に我が家を建てた新築内覧会に行くのは面白かった。
家の展示場はそれぞれのハウスメーカーや地元の工務店がモリモリ張り切って建てる、
「うちはこんなことできるんですよ!!」
という無駄なアピールが含まれているので、現実味がない。
それに比べて、新築完成内覧会は、人それぞれが想いを巡らし、現実的な予算で自らの生活スタイルや家族構成などを考えた上で、それが形になっている家なので、参考になる部分がとても多いのです。
ただし、あまり同じ工務店やハウスメーカーの内覧会に行っていると、相手をその気にさせてしまうことが多々あった。
「いや~、そろそろどうですか?無料で設計しますよ。」
「土地とか探しますけど、どこか住みたいエリアってあるんですか?」
などと、営業マンが内覧会で詰めてくるどころか、家にまできたり、電話かけてきたりするんですよね。
これはメンドクサイ。だって、家は欲しいけど、現実的に建てれないし、その気持ちがないから。
そういう風な話題を出されると決まって、我が家は内覧会をする会社を辞めて、他の会社の内覧会にターゲットを変えてきたのです。
ま、相手にとっては迷惑な話ですが、一応内覧会は誰が行ってもいいはずなので、今後の為に学びとしてはやはり行きたいものだし、行ってもいいじゃないか。
そうこうしているうちに、ある設計会社の建築物に非常に惹かれていって、そこの内覧会を中心に見るようになっていたんだが、ちょうど、うちの増築についてS友林業からの見積りなどもあって、そこそこ具体的な内容を把握していたタイミングだった。
ある内覧会で、そこのSホームというところの代表が、
「いつも来て頂いてありがとうございます。そろそろどうですか?」
なんて切り出してきた。心の中では
「あ~~、もはやここまでか。この会社の内覧会はそろそろ潮時だな。」と思いつつも、
「ウチは子供がまだ小さいので、うちの校区内でないと厳しいんですよね。丁度良い土地が別なんですけどね。」
という話でやんわり断ったつもりだったんだけど、
「じゃ、その校区内で探してみますよ。」
なんて言われてしまった。
「あ~、無いとは思いますけど、それならお願いします。」
っと、断る言葉がでなかったのと、そもそもうちの近所に売りに出してる土地がないはずなので、いいかなっていう思いでお願いする流れになってしまったのだ。
ま、そんなうまいタイミングはないよね。と思いつつ、その場は普通にお別れすることになった。
あった。うちの校区内に土地があった。
土地はすぐ見つかった。
うちの家から、なんと直線距離でたった300mのところです。
この土地の値段が500万円という破格で売り出されていた。
ということをSホームさんから聞いた時に思い出した。
「あ、そういえばこの土地って火事になったところだ・・・」
なるほど、だから安いんだ。と。
昔から火事になった土地はあまり良しとされていない。かなり避けられる土地ではあります。
ですが、この土地は見晴らしがいい。周りに家があるものの、土地自体も大きいので、十分理想の家が建てられるロケーションでもありました。
Sホームさんは一度無料でいいので、計画だけさせてくださいとゴリゴリしてこられて、その勢いについつい、じゃ、試しにとお願いしてしまった。
ま、なんと立派な設計図なんでしょうか。
しばらくの時が経ち、Sホームさんがとりあえず大枠的な設計図と見積りができましたということで連絡があった。
今まで建売の家か、増築ぐらいにしか考えてなかったので、1から自分らが理想とする家を計画するということすら考えていなかったところから、センスのある建築事務所さんが図面をひいてくれた内容の良さにたまげた。
【画像】
これは凄い。とてもいい。
まじか・・・増築ばかり頭にあったのだが、そのセンスのある建築設計図を見せられて、僕と嫁の我欲が爆発した。
「ここに住みたい・・・」
頭の中がその家の魅力に支配されて、それしか見えなくなってしまった。それほど衝撃的な理想とする家の設計図がそこにはあった。
しかし、問題は値段だ。
土地はなんやかんやで600万ほどする。上物がいくらかで背負うものが全然違ってくる。
とりあえず、今住んでいる家は、1250万円で売れるとして、あとどれほどの追い金を支払えば、家が買えるのか・・・そのアンサーは?
なんと、3200万。上物だけで3200万円です。
バリバリのセンス丸出しの建築設計事務所がほぼ予算度外視で描いたそのお値段は家だけで3200万円。
土地合わせて3800万円なわけです。
うちの今の家を売りに出したとしても、2600万円を借金で背負うことになりまする。
こ、これは、思っていた以上に高い。だって福井の土地柄で上物だけで3000万超える家は、俗にいう豪邸でっせ。
近所の人から忌み嫌われる豪邸と呼ばれる部類の建物が3000万円と言われています。
そうです。良い家だけど、高すぎる。
高杉る。
過ぎたるものは及ばざるがごとし。
その建築事務所を去る車の中で、うちの嫁さんと贅沢言い出したらキリがないな~という話をさしてもらいましたわな。
これはええ夢みさせてもらった。そういう結論で終わる話です。
これが、土地込みで3000万までならまだ話は違ったかなっと思うわけですが、4000万にワンタッチする勢いを見せたら、それはもう庶民じゃないから。
庶民の魂では、そこには到底タッチできない聖域があるのです。
建築設計事務所を通した建築物も高いという学びになりました。ありがとうございます。
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