長州産業は、太陽光発電の分野で広く知られるメーカーで、太陽光発電を考える時に必ず選択肢に入る企業のひとつと言えます。ただし、太陽光パネルそのものの性能が優れていても、使用目的や予算などの条件を考慮し、それぞれのニーズに合った製品を選ばないとダメですよね。
この記事では、長州産業の特長や太陽光発電システムの価格について詳しく解説します。また、導入のメリットや注意点についても触れているので、選択の際の参考にしてみてください。
長州産業とはどんな会社?
長州産業は、山口県に本社を構える日本の企業で、1980年に給湯器メーカーとしてスタートしました。設立当初から日本の住宅に深く関わってきた経験を活かし、日本の気候や生活環境に適した製品を提供しています。そのため、創業者が掲げた「豊かなお湯のある暮らしを日本の家庭に届けたい」という思いが現在の事業にも受け継がれています。
1998年に太陽光発電システムの販売を開始し、当初はパナソニック(旧三洋電機)からHITという太陽光パネルのOEM供給を受けていましたが、2009年からは自社製造を開始。国内工場で生産していることが、他のメーカーにはない特徴のひとつです。さらに、太陽光発電システムや蓄電池だけでなく、有機ELデバイス装置や真空プロセス装置といった先端技術分野にも取り組んでいます。
また、家庭用だけでなく産業用の太陽光発電でも実績があり、確かな技術力と経験を兼ね備えています。国内製品にこだわりたい方や、日本の住宅事情に適した信頼性の高い製品を求める方にとって、注目すべきメーカーと言えますね。
長州産業の太陽光発電の日本におけるシェアは?
長州産業は、2009年に太陽光パネルの自社製造を開始して以来、徐々にその存在感を高めてきました。2020年には住宅用市場で約10%のシェアを確保し、国内メーカーとしてはパナソニックやシャープに次ぐ3位、全体では5位にランクイン。
さらに、2021年にはDER補助金への迅速な対応が功を奏し、売り上げが急成長。2022年度には市場での地位をさらに強固なものとし、ついにシェア1位を獲得しました。そして2024年にはシェアが50%に達し、住宅用太陽光発電システムを導入する人のうち、実に半数が長州産業を選ぶという結果を生み出しています。
ちなみに国内の住宅用太陽光パネルのシェアは日本勢がTOP3独占してるから。
1位 長州産業
2位 パナソニック
3位 シャープまぁ義務化とか補助金とか賦課金の話は別としてね。
ただ総販売量にするとトップ3は↓になるのよ。
1位:ジンコソーラー(中国)
2位:カナディアンソーラー… pic.twitter.com/5ZJDZoh1ST— 穂積茂行 (@shigeyuki696) May 1, 2024
長州産業の太陽光発電を選ぶ3つのメリット
長州産業の太陽光発電システムを導入する主なメリットを3つご紹介します。
1. 国内生産ならではの高品質と安心感
長州産業は国内で唯一、太陽光パネル製造の全工程を自社で行っているメーカーです。インゴットの引き上げからセルの製造、モジュールの組み立てまで一貫して自社で手掛けることで、徹底した品質管理を実現しています。この国内生産体制により、日本の高温多湿な気候や風雪に耐える高い性能を持つ製品を提供しています。
また、太陽光パネルに「フルスクエアセル」などの独自技術を採用し、最新型のGシリーズでは「N形単結晶ヘテロ接合構造セル」を搭載。これにより発電ロスを抑え、特に夏場には従来製品よりも7%以上の性能向上を達成しています。このような技術革新が、国内市場におけるトップクラスの変換効率を支えています。
2. 業界をリードする保証制度
長州産業は、太陽光発電業界でも類を見ない手厚い保証制度を備えています。特筆すべきは以下の2つです。
- 施工補償(雨漏り保証)
通常、施工に伴う雨漏りリスクは工事会社が加入する工事賠償責任保険でカバーされますが、工事会社が倒産した場合には保証が無効になることもあります。しかし、長州産業はメーカー自身が雨漏り保証を提供しており、万が一の場合でも安心です。施工に不安を抱える方にとって、これは大きな魅力といえるでしょう。 - システム15年保証
太陽光発電システム全体を対象とする15年保証も、業界では突出しています。施工部分だけでなく、パワーコンディショナーなどの機器も長期間カバーされており、初めて太陽光発電を導入する方でも安心して利用できます。
3. 日本の住環境に特化した製品設計
長州産業は日本の住宅や気候に最適化した製品を開発しています。例えば、高温多湿や降雪地域での耐久性試験を独自に実施し、製品の信頼性を高めています。また、全国各地にサービス拠点を持ち、迅速なアフターフォローが可能な点も評価されています。これにより、導入後のサポートを重視するユーザーからも支持を集めています。
長州産業の太陽光発電における3つのデメリットとは?
長州産業の太陽光発電システムは、信頼性や品質に定評がありますが、導入にあたっては費用面や設置条件に関するデメリットを理解しておくことが重要です。ここでは、特に注意すべき主なデメリットを3つ整理して解説します。
1. 初期費用が割高
長州産業の太陽光発電は、海外メーカーと比較するとやや割高といわれています。特に、格安を売りにする海外製品と比べた場合、コストパフォーマンスで差が出るケースがあります。ただし、国内メーカー全体の価格帯で見ると、特別高額というわけではありません。
例えば、以下は主要メーカーのパネル価格比較です。
メーカー | モデル | 種別 | 公称最大出力 | モジュール変換効率 | 本体価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|
Panasonic | MP250a | 単結晶 | 250W | 20% | 214,500円 |
長州産業 | CS-223B81S | 単結晶 | 223W | 19.2% | 145,970円 |
また、最新の情報によると、長州産業のkW単価は一部の海外メーカーと遜色ない水準まで引き下げられていることがわかっています。
メーカー | 4kW | 5kW | 6kW |
---|---|---|---|
Qセルズ | 299,989円 | 246,513円 | 232,605円 |
カナディアンソーラー | 293,105円 | 268,676円 | 246,277円 |
長州産業 | 295,606円 | 263,501円 | 238,544円 |
国内生産の安心感やアフターフォローを重視するか、価格重視で海外メーカーを選ぶかは、ライフスタイルや価値観に応じて選択する必要があります。
2. 設置条件による制約
長州産業の一部シリーズはパネルサイズが大きめであるため、屋根面積が狭い家庭では設置が難しい場合があります。特に、屋根の形状が複雑な住宅では、十分な容量を確保できない可能性があります。
その一方で、長州産業ではコンパクトな「Bシリーズ」も提供しており、狭いスペースを有効活用したい場合には適した選択肢となるでしょう。導入を検討する際には、事前に家庭の電力需要に応じたシミュレーションを行い、必要な発電量や電気代削減効果を確認することが大切です。
3. 高額提案を行う業者への注意
長州産業の問題というよりは、一部の販売業者による高額な価格提案により長州産業のイメージが悪くなっています。
特に訪問販売を行う業者では、相場を大幅に超える金額を提示するケースが見られるため、注意が必要です。長州産業を扱う業者が非常に高額な提案を行っている事例が多く報告されています。
初めまして。長州産業の太陽光と蓄電池を検討しています!
太陽光3kw、蓄電池7kwで税込290万と言われたのですが、これは高いですか?💦
モニターで探してると言われたのですが💦
あとは設置するのも長州産業認定?の業者がするので設置の面でも安心出来ますって言われました!— こぐまママ🧸︎︎︎︎︎☺︎ (@koguma_mama21) December 6, 2024
長州産業の太陽光パネルと蓄電池の特徴と価格
長州産業Gシリーズ プレミアムブルー
Gシリーズは、発電性能を最優先に設計された高性能な太陽光パネルで、製品名に「プレミアムブルー」というブランド名が冠されています。
このシリーズは、パナソニックのHITと同様にヘテロ接合技術を採用しており、発電時のエネルギーロスを抑える設計が特徴です。高効率な発電を実現し、電力収支を重視する方には非常に適した選択肢と言えるでしょう。
初期費用はやや高めですが、「初期コストを惜しむより、売電収入や電気代の削減効果を重視したい」という方におすすめのモデルです。
長州産業 Bシリーズ
Bシリーズは、Gシリーズと比較して価格を抑えたモデルで、予算を重視する方に適しています。
また、一般的な長方形モジュールに加え、台形やハーフサイズといった特殊な形状のモジュールもラインアップされているため、寄棟屋根など複雑な形状の屋根にも柔軟に対応可能です。
太陽光パネルの設置において、変換効率以上に重要になるのが、屋根の形状やサイズとの適合性です。そのため、1つのモデルだけに絞らず、GシリーズとBシリーズの比較はもちろん、他メーカーの製品も含めて検討することをおすすめします。こうした検討プロセスを経ることで、より納得のいく選択ができるでしょう。
長州産業の蓄電池:特徴とラインアップ
近年、太陽光発電システムを導入する際に、蓄電池をセットで検討する方が増えており、その割合はおよそ8割に達しています。特に長州産業では、多彩な蓄電池のラインアップを展開しており、システムと一緒に導入されるケースが多いのが特徴です。
以下に、長州産業の蓄電池の代表的な製品をご紹介します。
ハイブリッド型蓄電池システム スマートPV
スマートPVは、電力系統と連携可能な蓄電池で、自家消費した電力の余剰分を電力会社に売電できる仕組みを備えています。経済的なメリットを重視したい方にぴったりのモデルです。
このシリーズには、スマートPVプラスとスマートPVマルチの2種類があり、それぞれ用途や機能に応じた選択が可能です。これだけ幅広い選択肢を提供できる点が、長州産業の製品が選ばれる理由の一つと言えるでしょう。
スマートPVプラスとスマートPVマルチの違い
- スマートPVマルチ
- 単機能型とハイブリッド型の両方に対応
- 停電時には、前負荷または特定負荷の機能を選択可能
- スマートPVプラス
- ハイブリッド型に特化
- 停電時には家全体へ電力を供給する全負荷機能を搭載
これらの特徴を理解することで、自宅の電力使用や設置環境に最適な蓄電池を選びやすくなります。
長州産業の太陽光パネルと蓄電池セットの価格
長州産業の太陽光パネルおよび蓄電池セットの価格について詳しくご紹介します。導入を検討する際には、複数社から見積もりを取ることで最適な選択ができるでしょう。
太陽光パネルの価格帯
シリーズ | 品番 | 特徴 | 公称最大出力 | モジュール変換効率 | 本体価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|
Gシリーズ | CS-348G81 | ヘテロ接合セル&波長変動機能 | 232W | 20% | 165,880円 |
Bシリーズ | CS-223B81S | 単結晶 | 223W | 19.2% | 145,970円 |
(参考: CLC長州産業株式会社|太陽光発電・蓄電システム)
蓄電池セットの価格帯
品番 | 定格出力 | 電力変換効率 | 寸法(幅×奥行×高さ) | 設置場所 | 本体価格(税込) |
---|---|---|---|---|---|
CB-H55T07A1 | 5.7kW | 96% | 445×198×698 | 屋内・屋外 | 3,102,000円 |
CB-H55T14A1 | 5.7kW | 96% | 445×198×698 | 屋内・屋外 | 5,566,000円 |
CB-H99T07A1 | 5.7kW | 96% | 445×198×698 | 屋内・屋外 | 3,322,000円 |
CB-H99T14A1 | 5.7kW | 96% | 445×198×698 | 屋内・屋外 | 5,786,000円 |
価格は設置条件や選ぶ製品によって変動する場合があるため、詳細な見積もりを取得することをおすすめします。また、導入費用だけでなく、長期的な発電量や蓄電効率も考慮して選ぶと良いでしょう。
長州産業の評判とは?実際に購入した声
実際の購入者の声を参考までに紹介します。またSNSの生の声も掲載しておきます。
長州産業を選んだ理由
長州産業を選んだ多くの方が挙げている理由は、国内メーカーならではの信頼感と製品の品質の高さです。製品に関する詳細な説明がされており、さらに設置後のアフターサポートもしっかりしているため、安心して選ばれています。
実際に設置した後の感想
設置後、多くのお客様が電気代の削減効果を実感しています。モニターで発電量や売電量をすぐに確認できるため、電気代の節約や売電収入の効果が目に見えてわかりやすく、さらに実感しやすいと好評です。
Xの声
我が家の太陽光発電
メーカー: 長州産業
設置容量: 7.14kw設置1年目の発電実績
発電量 10,020kwh
設置容量1kwあたり 1403kwh設置2年目の発電実績
発電量 9779kwh
設置費用1kwあたり 1370kwh pic.twitter.com/WoVeGKkdGW— ハッチ@家庭用太陽光発電 (@hacchi_myhome) November 2, 2024
画像右は長州産業の太陽光設置時に付いてきました!
画像左は、個別購入品です。
SALEの時に購入したので、半額くらいで買いました。分電盤はHEMS対応型です。長州産業の付属品で十分ですが、スマホアプリで確認したいなら買うのありです!
1日の電力状況も見れるので見てて面白いです👍 pic.twitter.com/DjAlluHzIc— さこ (@masaharuhaus) September 5, 2023
G2.5の6月の電気代。6月は良く晴れたので発電も好調!しかし7月は厳しそう。。
長州産業太陽光8.16kW
発電量1019kWh(シミュレーションは876kWh 116% 昨対117%)
自家消費203kWh(自家消費率20.0%)
電気代収支 黒字¥7,311
自家消費分含む経済効果 ¥21,000#iseg #太陽光発電 #収支 pic.twitter.com/PBaLY8PI1g— takunin.no11 (@takunin_no11) July 2, 2024
長州産業のよくある質問
太陽光パネルの寿命はメーカーによって異なる?保証は?
太陽光パネルの寿命については、メーカーごとに明確な数字を公表しているわけではありません。また、設置から30年以上経過した事例もまだ少なく、今後データが集まることが予想されます。
以下に、主要な太陽光パネルメーカーの出力保証とシステム保証期間をまとめました。
メーカー | 出力保証 | システム保証(無償) |
---|---|---|
シャープ | 20年 | 15年 |
パナソニック | 25年 | 15年 |
京セラ | 20年 | 10年 |
長州産業 | 20年 | 15年 |
マキシオン | 40年(業界最長) | 20年(業界最長) |
長州産業の太陽光パネルは北面でも大丈夫?
長州産業の太陽光パネルは、北面への設置にも対応可能です。特に、防眩パネルを使用することで、反射による近隣トラブルを防ぎつつ、発電効率を最大化できます。これにより、北面でも安定した発電が期待でき、これまで北面設置に懸念があった方々にも有効な選択肢となります。
防眩パネルは、光の反射を抑える特殊な設計が施されており、近隣への影響を最小限に抑えつつ、発電性能を維持します。そのため、北面に設置する場合でも、効率的にエネルギーを得ることができます。
まとめ
長州産業の太陽光発電システムは、国内メーカーとして長い実績を誇り、その高い品質と信頼性で多くのユーザーから高評価を得ています。すべての生産工程を自社で行い、品質管理にも力を入れており、安心して使用できる製品を提供しています。
初期費用が海外メーカーと比較してやや高めだと感じる方もいるかもしれませんが、長年の実績と国内メーカーとしての安心感を考慮すれば、十分に選択肢のひとつとして納得できるでしょう。特に、システムに対する保証が充実しており、雨漏り補償や施工保証、15年間のシステム保証が付いているため、長期的に安心して使用できます。
また、長州産業は訪問販売の会社でもよく取り扱われていますが、その品質は決して悪くありません。ただし、製品ラインナップが多いため、特に訪問販売での提案内容には注意が必要です。単結晶パネルを「高性能のHIT」と偽って販売するケースもあるため、しっかりとした情報収集と比較が重要です。
太陽光発電や蓄電池の導入を検討する際は、複数のメーカーを比較することをおすすめします。長州産業以外にも高性能なメーカーやコストパフォーマンスに優れたメーカーが存在するため、自分にとって最適な選択肢を見つけることが大切です。
コメント